ADHDの発生率・原因

ADHDの発生率は各国でおよそ5%前後と言われています。これはDSM-Ⅲと呼ばれる米国精神医学会による診断基準に基づいた数値です。これによると日本でも大体3%ほどの子供が該当するとも言われます。具体的にはおよそ30人に1人という比率になります。また、両親のいずれかにADHDが認められると最大50%という率でその子供に出現したり、兄弟のいずれかにADHDが存在すると、いない場合に比較すると数倍の確率で出現するというデータがあります。これは遺伝的要素によるものと考えられており、家族性が認められるようです。また、女児より男児に多いのも特徴の一つです。

ADHDの原因としてアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患や両親の共働きなどが懸念されることもあるようですが、これらはいずれも関係ないようです。アレルギーを認める子供に多動が多いのは事実のようですが、これは掻痒感によるもので、ADHDで言う多動とは違います。それにアレルギーとADHDを関連付ける統計も見当たりません。また、両親が共働きであっても、それがADHDを招きやすい要因にはなりません。